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エンジン修理 ホンダ NS50F

2020年04月22日 | カテゴリー:竜輔整備記録

ホンダさんのNS50Fを修理しましたので、そのレポートです。

最近では市場でも希少になってきた2サイクル50ccミッション車ですね。

入庫の内容は「走行中に異音がしてエンジンがかからなくなった。キックも動かない。」というなかなかに絶望的なコメントでした。

少し詳しかったりする方ならピンとくるかと思いますが、高確率でエンジンが焼き付きを起こしているような…。

高額修理の可能性を示唆しつつ、引取へ伺いました。

まさか、こんな内容でNGになっていようとはこの時は思いませんでした。



さて、さっそく引取後エンジンを分解していきます。

エンジンが小さいのでサクッと下ろせました。

すでに気になるポイントがありまして…、ミッションオイルがほぼ出てこない。

そして出てきたオイルは鉄粉だらけ。

こりゃクランク系のトラブルかと思ってましたが、どうやら違うみたい。

さらにサクサク分解していきます。

クラッチカバーの内側です。恐ろしいほどに油分がなく、研磨された粉がたっぷりです。

削れた部分のアップです。どうやらバランサーシャフトが固着してるようです。

ケースを割ってみました。クランクは思ったよりガタもなくスムーズです。となるとやっぱり。

はい、バランサーシャフトのベアリングがオイル切れでロック、その後アイドルギアが暴れてクラッチハウジングに噛みこみ、エンジンストップしたようです。

じゃあその原因は?

ここから先は推測ですが、ミッションオイル漏れが原因で潤滑不良を起こしてNGになったのだと思います。

というのも、入庫時からエンジンケース下部はかなりオイルで汚れており、お客さんに確認すると乗り始めた当初からだったとのことでした。

オイル漏れの原因を探ってみると、ニュートラルスイッチが摘出されており、シールプラグ等でオイル漏れ対策もされていない状態でした。

そりゃエンジンに穴が開いてる状態になっているので、オイルはいくら入れても漏れてきます。

ましてやお客さんは初めての車両でしたので「古いしこんなもんかな」程度で補充や交換もされたことはなかったようです。

もしオイル漏れがしてる段階で入庫されていれば、何とかできたでしょうから悔しいですね。

では、どう修理をするかの相談をお客さんとしていきます。

最初の問診と簡易点検の段階で最悪の場合はかなりの高額修理になることは伝えてました。

多めに見積もったら廃盤部品もあるので10万円くらいかかるかもしれないこと。

その修理をしても古い個体なので別の箇所でのトラブルは発生する可能性があり、移動をする機械として診た場合は旬は終わっていること。

それでもは何とかなるのであれば乗り続けたいので修理をしてくれと金額面と方向性の了解はとっていました。

移動する機械としてでなく、楽しい相棒として考えてくれるオーナーに出会えてこの子も幸せだろうと思います。

では次に具体的な修理方法です。

今回はバランサーシャフト本体はメーカー在庫が何とかありましたが、間のアイドルギアシャフトが廃盤欠品でありません。

なので潔くバランサーシャフトの撤去を提案しました。このエンジン草レースしてる人は駆動ロス削減のためにけっこうやってたし、事実として振動も不快なほど増えないですしね。

そしてアイドルシャフトがないと困ったことにタコメーターギアを駆動出来ないので純正メーターを動かせません。

そこで今回は電気式のタコメーターを導入することにしました。オーナーさんと相談しご希望で純正はデザインとして残したまま小さめのデジタルを追加で装着しました。

(個人的にはオフ車で無いのに慣れてるのと、サーキット走行するみたいに回転にさほど気を使わない町乗りメインだから自分ならコスト考えたらいらんかなーとw)

その昔ミニバイクレースが盛んだった頃のレギュレーション内でどこまで早くするかの手法にそってしまいましたね。

ちなみに今回も中古エンジンはあったりしたので値段だけ言えば積み替えするって手法もとれました。

中古を仕入れてきても年数的にもまた不具合が発生したり、すぐにNGもかんがえられます。

どうせお金払うなら安心して乗って欲しいし、乗りたいですしね。

だから今回は現品を修理、ついでにエンジンのピストンやベアリングの消耗品も交換しての作業としました。

タコメーターワイヤーが入るところはメクラ処置をしてOK。

メインの原因だったニュートラルスイッチは取り外したままHRCのNS50Fレーサーの部品を使ってメクラ処理。

レーサーにもバランサーシャフトはあるのでよりレーシーな一台の完成です。

(恐らくHRCもレーサー化するのにやりたいけど、工数の関係からエンジン割るような処置はできなかったと思われ)

これで安心して2サイクルを楽しんで頂けるようになりました。

やっぱりバイクはタイムマシン。あの時代にいつでも連れていってくれますね。

竜輔

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